標準正規分布グラフと標準化

 

正規分布のうち期待値=0、分散=1 のものを標準正規分布と呼んでいる。

確率変数xが期待値μ、分散σ の正規分布に従うとき

z=(x-μ)/σ で変換された確率変数zの分布は標準正規分布となる。

この変換は標準化、規準化と呼ばれている。

標準正規分布関数は

で表される。これをグラフで示すと

標準正規分布

zの変域は-∞から∞までになるが(-4,4)で近似させている。

標準正規分布の確率密度関数は

で表される。

標準正規分布 確率密度関数

この確率密度関数を-∞から0までの範囲で積分した値は0.5になり上記の分布関数のグリーンのラインの水準0.5に対応している。密度関数を-∞からzまでの範囲で積分した値が分布関数のzの値に対応している。-∞から∞までの範囲で密度関数を積分すれば分布関数の上限1.0に収束する。ちなみに標準正規確率密度の最大値は0.3989422804014326...となる。

 

z=(x-μ)/σ で変換された確率変数zの期待値が0、分散が1となる理由は下記の通り。

標準化、規準化

この標準確率密度関数を少し変えて平均は0、標準偏差0.1と1よりもかなり小さくして、尖った確率密度関数を描いてみる。

尖った正規確率密度関数



標準偏差が小さいので平均値周辺に分布が集中して尖ったグラフとなっている。平均値0の確率密度も3.989と大きくなっている。
統計学で尤度といった概念があるが、正規分布のような連続型確率分布では尤度はサンプルの確率密度の積で定義される。 離散型確率分布では尤度の上限は1であるが、正規分布では確率密度の積は、下限はゼロでも上限は1という保証はなく無限大となりうる ことを示している。

おまけ

正規分布のグラフ作図についてはエクセルを使う方法が多数のサイトで詳しく紹介されているので、ここではフリーの数学ソフトMAXIMAによる前記のグラフ作図のコード例を示しておく。
セミコロン;の区切り毎にMAXIMAに貼りつけて実行する。

	


load(distrib);
/* 確率密度関数を定義 */
/*  Maximaの distrib パッケージにおける pdf_normal(x, m, s) の
mは平均、s は標準偏差を意味する。  */
normpdf(z):=pdf_normal(z,0,1);
/* 正規分布関数の定義 */
normcdf(z):=cdf_normal(z,0,1);

wxdraw2d(line_width=5,explicit((normcdf(z)),z,−4,4),
   xlabel="z",ylabel="分布関数",points_joined   = true,
color=grey, points([[0,0],[0,1]]),
color=green, points([[−4,0.5],[4,0.5]]),
label(["0.5      ",−4,0.5]));

float(normpdf(0));

wxdraw2d(line_width=5,explicit((normpdf(z)),z,−4,4),
  xlabel="z",ylabel="密度関数",points_joined   = true,
color=grey, points([[0,0],[0,0.3989]]),color=black,
label([" 最大値=0.3989..",−4,0.389]));

/*尖った確率密度関数の定義 */
/*   平均=0, 標準偏差=0.1 */

kurtoticnormpdf(z):=pdf_normal(z,0,0.1);

float(kurtoticnormpdf(0));

wxdraw2d(line_width=5,explicit((kurtoticnormpdf(z)),z,−4,4),
   xlabel="z",ylabel="密度関数",points_joined   = true,
color=grey, points([[0,0],[0,3.989]]),color=black,
label([" 最大値=3.989..",−4,3.989]));

 

 

金融工学を初等数学で 目次